【レースリポート】2026 FIM世界耐久選手権(EWC) Rd.2 スパ8時間レース

目次

2026 FIM世界耐久選手権(EWC) Rd.2 スパ8時間レース 予選

日程2026.06.05
サーキット スパ・フランコルシャン・サーキット(ベルギー)
ライダーグレッグ・ブラック / エティエンヌ・マッソン / ダン・リンフット

YOSHIMURA SERT MOTUL
スパ8時間耐久レースのスターティンググリッドで堅実な4番手を獲得

Yoshimura SERT Motulは、2026年FIM世界耐久選手権(EWC)第2戦「スパ8時間耐久レース」の予選を総合4番手で終えました。

アルデンヌのアップダウンが続くスパ・フランコルシャンらしく、大きく変化する天候に翻弄された一日となりましたが、チームのスズキ GSX-R1000Rは高い安定性を発揮。テクニカルクルーが進めてきた開発とセットアップ作業の成果が表れ、レースに向けて高い競争力を示しました。

午前中のフリープラクティスは強い雨に見舞われ、非常に難しいコンディションの中で行われました。路面状況の悪化によりセッションは度々中断されましたが、Yoshimura SERT Motulのライダーたちは安定した走りを披露し、チームは総合2番手につけました。

ドライコンディションで行われたQ1では、Gregg Black選手が2分19秒480を記録し、グループ3番手を獲得。Étienne Masson選手も2分20秒103でグループ6番手につけました。さらにDan Linfoot選手はセッション終盤のアタックで2分19秒958をマークし、こちらもグループ3番手を獲得しました。

そしてスパ名物とも言える予測不能な天候はQ2でも健在でした。再び天候が急変し、コースコンディションは大きく変化。しかしチームは難しい状況の中でもウェットコンディションでの大きな進歩を示しました。

Gregg Black選手は完全なウェットコンディションの中で2分32秒992を記録し、グループ3番手。Étienne Masson選手は乾き始めたレーシングラインを活かして2分21秒374をマークし、グループ7番手となりました。Dan Linfoot選手は気温こそ低いもののドライとなった路面で2分19秒749を記録し、グループ3番手で一日を締めくくりました。

各ライダーのベストタイム平均により算出される予選結果で、Yoshimura SERT Motulは平均タイム2分19秒614を記録。決勝レースを4番グリッドからスタートすることとなりました。また、この結果により選手権ポイントを2ポイント獲得しています。

2026年FIM世界耐久選手権第2戦「スパ8時間耐久レース」は、現地時間6月6日(土)13時00分にスタート予定です。日本時間では20時00分スタートとなります。

加藤陽平 チームディレクター

本日の公式練習および予選セッションは、まさに「スパウェザー」と呼ぶにふさわしい一日となりました。

Q1では雨こそ止んでいたものの、ドライコンディションの時間が限られていたため、タイムアタックは非常に難しい状況でした。続くQ2では小雨が降る中、常にミスのリスクと隣り合わせのコンディションでしたが、良いパフォーマンスを発揮し、総合4番手を獲得することができました。

マシンのセットアップは順調に進んでおり、昨年大きな課題だったウェットコンディションでのパフォーマンスも大きく改善しています。

明日は雨の可能性が最も低い予報となっていますが、今週を通して見てきたように、天候予測は最後まで予断を許しません。難易度の高いスパ・フランコルシャンでは、チーム全員が集中力を維持し、ミスをしないことが何より重要です。

パートナーの皆様、そして応援してくださる皆様の温かいご支援に感謝するとともに、明日のレースではチーム一丸となって全力を尽くします。


ダミアン・ソルニエ チームマネージャー

レースでは、本日と同様の戦略を採用する予定です。何よりも重要なのは、最後まで転倒せず、ミスをしないことです。

天気予報は依然として非常に不確実であり、レースは複雑な展開になることが予想されます。もちろん、完全なウェット、あるいは完全なドライといった安定したコンディションになることを望んでいますが、もしコンディションが変化するレースとなれば、状況は大きく変わるでしょう。

そのような場合には、戦略面での判断が極めて重要になります。適切なタイミングで適切なタイヤを選択できるよう、先を見据えた判断力と迅速な対応力が求められます。

今回の予選では総合4番手を獲得し、選手権にとって貴重なポイントを加えることができました。天候の変化に加え、赤旗中断もあったことで難しいセッションとなりましたが、チームとしてはもう少し上位のポジションを狙っていました。

それでも、この結果は十分に前向きなものと捉えており、明日のレースには最大限の警戒心と集中力を持って臨みます。


グレッグ・ブラック [ライダーブルー]

予測の難しい天候により厳しい一日となりましたが、スズキGSX-R1000Rに対するフィーリングは非常に良好です。

昨日のテストを通じて、路面がドライ、ハーフウェット、ウェットのいずれのコンディションであっても、マシンが高いパフォーマンスを発揮できることを確認できました。

私のQ2セッションでは、他車とのトラフィックやセッション中断の影響があり、アタックラップはわずか2周しか行えませんでした。その中で2分32秒992を記録しました。

何より重要なのは、ウェットでもドライでも安定したパッケージを持っており、ライダーが限界まで引き出しやすいマシンに仕上がっていることです。

予選では、適切なタイミングで完璧なラップをまとめられるかが結果を左右します。しかし、私たちは明日のレースに向けて大きな自信を持っています。


エティエンヌ・マッソン [ライダーイエロー]

昨年と比べてウェットコンディション用セットアップの開発は大きく前進しており、その結果として非常に優れたベースセットアップを手にすることができました。

私自身は予選用タイヤを使用せず、一日を通してレース仕様のセットアップのみで走行することを選択しました。

明日は目まぐるしく変化する天候に対応するため、慎重な判断が求められるでしょう。しかし、どのようなコンディションでも安定して高い競争力を発揮できるマシンを作り上げるという目標は、完全に達成できていると感じています。


ダン・リンフット [ライダーレッド]

複雑なコンディションの中で行われた予選を終え、私たちはグリッド4番手を獲得しました。

本音を言えば、もう少し上位を狙いたかったのですが、アタックラップ中にトラフィックの影響を受けてしまい、マシンのポテンシャルを最大限に引き出すことができませんでした。

それでも全体的なフィーリングは非常に良く、私たち3人のライダー全員が同じレベルの自信を持っています。また、レース仕様でのペースは予選以上に強力なものになると確信しています。

明日のレースを迎えるのが本当に楽しみです。

2026 FIM世界耐久選手権(EWC) Rd.2 スパ8時間レース 決勝

日程2026.06.06
サーキット スパ・フランコルシャン・サーキット(ベルギー)
ライダーグレッグ・ブラック / エティエンヌ・マッソン / ダン・リンフット
予選4位
本戦4位

YOSHIMURA SERT MOTUL、スパで逆境に負けず力強く戦う

Yoshimura SERT Motulは、本日行われた2026年FIM世界耐久選手権(EWC)第2戦「スパ8時間耐久レース」において、序盤のアクシデントを乗り越え、4位でフィニッシュしました。

4番グリッドからスタートしたGregg Black選手はホールショットを奪い、レース序盤のリードを獲得。その後は3番手で安定したペースを維持しながらレースを進めていました。しかし、レース開始から30分後、レ・コームでフロントのグリップを失い転倒。マシンにダメージを負った状態でピットへ戻ることとなりました。

ピットではテクニカルクルーが迅速に対応し、損傷したエキゾーストシステムを交換。マシンに大きなダメージは見つからず、メカニックたちは見事な作業で短時間のうちに修復を完了させ、Étienne Masson選手を再びコースへ送り出しました。2周遅れ、最後尾付近からの再スタートとなりましたが、Masson選手はすぐに素晴らしいリズムを掴みます。その粘り強い走りで次々とポジションを回復し、レース開始から1時間後には28位まで浮上しました。

続いてDan Linfoot選手が引き継ぎ、そのままの勢いで追い上げを継続。トップ集団と同等のペースで走行しながら順位を上げ、19位まで浮上しました。レース開始から3時間が経過した時点でチームは14位まで順位を回復。しかし、その頃からアルデンヌ地方特有の雨が降り始め、コンディションは難しさを増していきました。

目まぐるしく変化する路面状況にも、Yoshimura SERT Motulは冷静に対応。雨とドライが入り混じる難しいコンディションの中でもライダーたちは安定した走りを見せ、チームは着実に順位を上げていきます。レース中盤には驚異的な追い上げで7位まで浮上。その後も勢いは止まらず、6時間経過時点ではレーシングラインが乾き始めたことでラップタイムが向上し、ついに4位まで順位を回復しました。

ライバルたちとの激しい争いの中でもライダーたちは集中力を切らすことなく走り続け、そのまま4位を守り切ります。厳しい8時間の戦いを終え、188周を走破したYoshimura SERT Motulは4位でチェッカーフラッグを受けました。

今回獲得した貴重な21ポイントを加えたことで、Yoshimura SERT Motulの総獲得ポイントは69ポイントとなり、2026年FIM世界耐久選手権(EWC)暫定ランキングにおいて2位の座をより確かなものとしました。

チームの視線はすでに次戦へ向けられています。次なる舞台は日本、そして伝統ある鈴鹿8時間耐久ロードレースです。大会は7月3日から5日にかけて開催されます。

加藤陽平 チームディレクター
今週末の最大の目標は、ミスのないレースを完遂することでした。そのため、序盤のアクシデントは当然ながら大きな痛手となりました。しかし、耐久レースでは困難な状況から立て直す力が求められます。そして今回、チームはまさにその強さを示してくれました。

スパ特有の非常に予測が難しい天候の中でも、メカニックたちはレースを通して完璧な仕事をしてくれました。その絶え間ない努力のおかげで、私たちは順位を取り戻しながら前方へ進むことができました。

苦しい状況の中で勝ち取ったこの4位は、選手権争いにおいて非常に重要なポイントとなります。そして、私たちは引き続きタイトル争いの中心に留まることができています。

次はいよいよ鈴鹿8時間耐久ロードレースです。そこでは、進化を遂げた最新仕様のスズキGSX-R1000Rが実戦デビューを迎えます。私たちは明確な目標を持って日本へ向かいます。それは、他のファクトリーチームと真っ向から戦い、トップ争いを繰り広げることです。

ダミアン・ソルニエ チームマネージャー
表彰台まであと一歩という結果ですので、もちろん少し悔しさはあります。しかし、それも耐久レースの一部です。

レース序盤の転倒によって、私たちは大きなタイムロスを喫し、一時は40位以下まで順位を落としてしまいました。それでも3人のライダーは最後まで自分たちの可能性を信じ続け、一度も諦めることはありませんでした。

このような強力なライバルたちを相手に、そこから4位まで追い上げたことは本当に素晴らしい成果だと思います。

また、驚くほど短時間でマシンを修復してくれたテクニカルクルーの働きも称賛したいです。今回の結果は、チーム全員で成し遂げたスポーツ面でも人間的な面でも非常に価値のある成果でした。

私たちの視線はすでに鈴鹿8時間耐久ロードレースへ向いています。鈴鹿はスズキにとって非常に重要なレースです。選手権首位奪還を目指し、強い決意を持って挑みます。

グレッグ・ブラック [ライダーブルー]
今回のレースでは、まずポジティブな面に目を向けるべきだと思います。私たちの最大の目標は選手権争いにおいて重要なポイントを獲得することでしたが、それを達成することができました。

レース序盤はマシンのフィーリングも非常に良く、トップグループについていきたいと考えていました。しかし残念ながら転倒してしまいました。そのアクシデントによって数分を失いましたが、メカニックたちは素晴らしい仕事をしてくれ、私たちを素早くレースへ復帰させてくれました。

マシンはウエットコンディションを含め、非常に高い競争力を発揮していました。また、チームメイトたちも素晴らしいスティントを重ね、私たちを再び表彰台争いへと引き戻してくれました。

今は鈴鹿8時間耐久ロードレースを楽しみにしています。最新の2026年仕様マシンによるテスト結果は非常に有望なものでしたし、優勝争いができるという大きな期待を持って挑むことができます。

エティエンヌ・マッソン [ライダーイエロー]
本来であれば素晴らしい結果を狙えるだけのポテンシャルがあっただけに、悔しさが残るのは当然です。

今回のレースではライバルたちも非常に強く、ほとんどミスをしませんでした。しかし私たちも、特にタイヤ選択において適切な判断を下すことができたと思います。

レースペースは非常に安定しており、マシンはあらゆるコンディションで素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれました。序盤のアクシデントは不運でしたが、チームは驚くべき速さでマシンを修復し、再びコースへ送り出してくれました。

最終的に、この4位という結果はチーム全員による素晴らしい努力が報われたものだと思います。そして、シーズン後半の戦いに向けて非常に重要なポイントを獲得することができました。

ライバルたちには、これからのラウンドでも私たちが手強い存在であり続けることを示せたと思います。

ダン・リンフット [ライダーレッド]

今回のレースでは、まずポジティブな面に目を向けるべきですし、成し遂げた素晴らしい追い上げを誇りに思うべきだと思います。

耐久レースでは誰にでもアクシデントが起こり得ます。実際、私自身も昨年の鈴鹿でそれを経験しました。そんな中でもチーム全員が一丸となり、後方からの追い上げに全力を注ぎ、最終的に4位でフィニッシュすることができました。

この結果で獲得したポイントは、選手権争いにおいて非常に価値のあるものです。

もちろんライダーとしては、常に表彰台の頂点に立ち、勝利を目指しています。しかし今日は、私たちが達成できる最大限の結果を手にすることができたと思います。

そして今回も、ピットストップはいつも通り完璧に行われました。

私たちはすでに日本ラウンドへ向けて気持ちを切り替えています。次の目標は、できる限り多くのポイントを獲得することです。

予選

1BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMBMW M1000RR2:18.703
2YART YAMAHA OFFICIAL EWC TEAMYAMAHA YZF-R12:19.232
3F.C.C. TSR HONDA FRANCEHONDA CBR1000RR-R2:19.390
4YOSHIMURA SERT MOTULSUZUKI GSX-R1000R2:19.614
5KAWASAKI WEBIKE TRICKSTARKAWASAKI ZX-10R2:19.849

決勝

順位チームマシン周回数
1BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMBMW M1000RR192
2YART YAMAHA OFFICIAL EWC TEAMYAMAHA YZF-R1192
3KAWASAKI WEBIKE TRICKSTARKawasaki ZX-10R190
4YOSHIMURA SERT MOTULSUZUKI GSX-R1000R189
5TATI TEAM AVA6 RACINGHONDA CBR1000RR-R188

ポイントランキング

順位チームポイント
1YART YAMAHA OFFICIAL EWC TEAM91P
2YOSHIMURA SERT MOTUL69P
3BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM68P
4KAWASAKI WEBIKE TRICKSTAR64P
5ERC ENDURANCE #649P
6AUTORACE UBE RACING TEAM43P
7TEAM BOLLIGERr SWITZERLAND #834P
8MAXXESS BY BMRT 3D33P
9MANA-AU COMPETITION29P
10MOTOBOX KREMER RACING BY 32128P
  • URLをコピーしました!
目次