【レースリポート】2026 FIM世界耐久選手権(EWC) Rd.3 鈴鹿8時間耐久ロードレース

目次

2026 FIM世界耐久選手権(EWC) Rd.3 鈴鹿8時間耐久ロードレース 予選

日程2026.07.03
サーキット 鈴鹿サーキット (三重県)
ライダーグレッグ・ブラック / ダン・リンフット / 渥美 心

Yoshimura SERT Motul、鈴鹿8耐でランキング上位固めを目指す

Yoshimura SERT Motulは、2026年FIM世界耐久選手権(EWC)第2戦「スパ8時間耐久レース」の予選を総合4番手で終えました。

伝統ある鈴鹿サーキットで、2026年FIM世界耐久選手権(EWC)第3戦・最終戦前ラウンドとなる「第47回 鈴鹿8時間耐久ロードレース」が、7月5日(日)に開催されます。

現在シリーズランキング2位につけるYoshimura SERT Motulは、タイトル争いをさらに優位に進めるべく、シーズン屈指の重要な一戦に挑みます。変わりやすい天候に翻弄された濃密な準備期間を経て、フランスと日本の合同チームであるYoshimura SERT Motulは決勝を8番グリッドからスタートします。しかし、2025年大会で表彰台を獲得した実績もあり、このスターティングポジションがチームの高い目標を揺るがすことはありません。

準備は2日間のプライベートテストから始まり、初日は6位、2日目は7位で走行を終えました。火曜日は終日ドライコンディションとなり、ベストラップは2分05秒896を記録。水曜日も午前中はドライでしたが、昼頃から雨となり、最後のセッションは完全なウェットコンディションで実施されました。それでもチームはベストタイムを2分05秒856まで更新しました。

公式フリー走行では、#12 SUZUKIが2分05秒323を記録しトップタイムをマーク。予選ではGregg Blackが2分05秒248でグループ6位、渥美心が2分05秒470でグループ4位を獲得しました。Dan Linfootは2分05秒792でグループ8位となりましたが、Q2序盤の転倒によりタイム更新は叶いませんでした。

平均予選タイム2分05秒359で総合8位となり、Top10トライアルへの進出を決定。しかし、グリッド上位10台の順位を決めるTop10トライアルは豪雨のため中止となり、8番グリッドから決勝をスタートすることになった。

上位勢の差は非常に小さく、決勝当日も不安定な天候が予想されています。ドライ・ウェットの両コンディションで高い競争力を示してきたYoshimura SERT Motulは、チームの実力にふさわしい結果を残すことだけに集中しています。

加藤陽平 チームディレクター

昨日の予選でDanが転倒したことにより、チーム本来の実力を結果として十分に示すことができませんでした。また、本日予定されていたTop10トライアルが中止となったことも非常に残念に思っています。それでも私たちは決勝に向けて気持ちを切り替え、全力で臨みます。天候は依然として予測が難しい状況ですが、どのようなコンディションであっても冷静さを保ち、自信を持ってレースに挑みます。ヨシムラのホームである日本で、新型GSX-R1000Rとともに力強い結果を残すことを目指しています。引き続き温かいご声援をよろしくお願いいたします。


ダミアン・ソルニエ チームマネージャー

最終的に予選は総合8位という結果になりました。もちろん、Top10トライアルでグリッド順位を上げられると考えていただけに、少し残念な気持ちはあります。ピットボックス前でチーム写真を撮影している最中に雨が降り始めた時点で、『このセッションは厳しいかもしれない』と感じていましたが、その後レースディレクションによって正式に中止が決定されました。そのため、決勝は8番グリッドからのスタートとなります。私たちが期待していた位置より少し後方からのスタートです。また、Danの転倒によって予選の流れが崩れ、さらに良い結果を狙うチャンスも失ってしまいました。しかし、8時間レースは予選で勝敗が決まるものではありません。今、本当に重要なのは、コース上で速さと安定性を維持し、ミスなく走り切ること、そして何より完璧なピットストップを行うことです。ピットでの1秒1秒が勝負を左右します。少しのタイムロスも許されません。今回は8〜10台が優勝争いできるだけのペースを持っていることは明らかで、非常に接戦になると予想しています。また、天候も大きな鍵を握るでしょう。Spaと同じように、雨、乾いていく路面、そしてタイヤ選択といった戦略が重要になる可能性があります。あらゆる要素を考えても、非常に厳しく、難しいレースになると見ています。


グレッグ・ブラック 選手 [ライダーブルー]

今週は良いスタートを切ることができました。プレシーズンテスト時とは路面コンディションがかなり異なり、大雨の影響でグリップがやや低下していましたが、バイクをうまくセットアップでき、ドライ・ウェットのどちらのコンディションでも自信を持って走ることができました。水曜日の雨のセッションでも高い競争力を発揮でき、金曜日午前の公式フリー走行ではトップタイムを記録しました。一方で、予選は路面温度が高かったこともあり、より難しいものとなりました。クリアラップを確保し、ミスのない1周をまとめ、新品タイヤの性能を最大限に引き出す必要がありました。タイム差は本当にわずかでした。2回目の予選では自己ベストとなる2分05秒248を記録し、同じグループのトップタイムとはわずか0.160秒差でした。グリッドは8番手ですが、純粋な速さという点ではトップグループとの差は非常に小さいと思っています。チームメイトも今週を通して素晴らしいスピードを見せてくれました。心は序盤に何度か軽い転倒がありましたが大きな問題はなく、一方でDanはQ2でスリップストリームを使おうとした際に大きな転倒を喫し、マシンに大きなダメージを受けたことで予定していたプログラムにも影響が出てしまいました。私たちはTop10トライアルでさらに上位を狙い、追加ポイントを獲得したいと考えていましたが、雨によってその機会を失ってしまいました。悔しい気持ちはありますが、それもレースの一部であり、状況に適応していかなければなりません。決勝はドライとウェットが入り混じるコンディションになる可能性がありますが、そのような状況は私たちにとって得意な条件でもあります。


ダン・リンフット 選手 [ライダーイエロー]

今回の予選は、良かった点もあれば悔しい点もある内容でした。Q1では最後の2周で新品タイヤを投入しましたが、他車の影響で理想的なアタックラップをまとめることができませんでした。そしてQ2では、前のライダーのスリップストリームを使おうとしたアウトラップで転倒してしまいました。マシンは大きなダメージを受け、タイムアタックを行うことができず、本当に悔しい結果となりました。それでも、心とGreggが十分に速いタイムを記録してくれたおかげで、チームはTop10入りを果たし、その後Top10トライアルは中止となりました。決勝は雨になる予報ですが、個人的にはむしろ歓迎しています。私はイギリス出身なので、そのようなコンディションでの走行には慣れていますし、ウェットコンディションには自信があります。決勝のスタートをとても楽しみにしていますし、チームとして最高の結果を目指して戦いたいと思います。


渥美 心 選手 [ライダーレッド]

予選全体としては良い内容だったと思いますが、最終的な結果は自分が期待していたものではありませんでした。2分04秒台を狙えるだけのポテンシャルがあるタイヤだったと思っていますが、その性能を十分に引き出すことができませんでした。まだタイムを縮められる余地はあったと感じています。一番重要なのは決勝でのレースペースです。私たちはドライでもウェットでも高い競争力を発揮できていますし、チーム全員が正しい方向に向かって取り組めています。自信を持って決勝に臨みます。あとは全力を尽くし、訪れるチャンスを一つひとつ確実につかんで、最高の結果を目指したいと思います。

決勝日のスケジュールは、現地時間8:30~9:15にウォームアップセッションを実施し、11:30(中央ヨーロッパ夏時間4:30)に鈴鹿8時間耐久ロードレースがスタートします。レースの模様は、ヨーロッパではEurosport、日本ではJ SPORTSにて生中継されます。

2026 FIM世界耐久選手権(EWC) Rd.2 スパ8時間レース 決勝

日程2026.07.05
サーキット 鈴加サーキット (三重県)
ライダーグレッグ・ブラック / ダン・リンフット / 渥美 心
予選8位
本戦6位

Yoshimura SERT Motul、EWCタイトル獲得への望みをつなぐ

7月5日(日)に開催された第47回「コカ・コーラ」鈴鹿8時間耐久ロードレースは、数々のドラマが繰り広げられる一戦となりました。天候が目まぐるしく変化し、複数のアクシデントによってレースが幾度も中断される中、ヨシムラSERT Motulは6位でチェッカーフラッグを受け、2026 FIM世界耐久選手権(EWC)タイトル獲得への望みをしっかりとつなぎました。

今年の鈴鹿8耐は、予選を通過した全50チームにとって非常に過酷なレースとなりました。ウォームアップ前から雨が降り始め、不安定な空模様のもとで決勝がスタート。8番グリッドからスタートしたグレッグ・ブラック選手は、素晴らしいスタートを決め、依然として路面が濡れたコンディションの中でホールショットを奪いました。難しいコンディションでも冷静な走りを見せたグレッグ・ブラック選手は、最初のセーフティカーが導入されるまで、常にトップグループでレースを展開しました。

チーム最初のピットストップからわずか数分後、複数のクラッシュの発生により2度目のセーフティカーが導入され、第2スティントの大半はその影響下で進行しました。度重なるセーフティカー介入により、先頭との差を縮めるチャンスは大きく制限され、再スタートのタイミングもチームにとって不利な状況が続きました。

さらにYoshimura SERT Motulは、給油手順に関する違反により10秒間のストップ&ゴーペナルティを科されるという試練にも見舞われました。それでもチームは最後まで諦めることなく戦い続け、レース中盤までに6位までポジションを回復。その順位を守りながら終盤へと進みました。

レース終盤には再び激しい雨が降り始め、さらにセーフティカーが導入されました。その後はライダー、そしてテクニカルクルーともにミスのない完璧な仕事を見せましたが、レース終盤のスローダウンによって順位が確定し、トップ5入りを狙える位置にいながらも追い上げの機会を失いました。波乱に満ちた186周のレースを走り切り、Yoshimura SERT Motulは6位でフィニッシュしました。

Yoshimura SERT Motulは今回の結果により84ポイントを獲得し、暫定ランキング3位で最終戦を迎えます。最終戦ではまだ多くのポイントが獲得可能であり、タイトル争いは依然として続いています。

2026 FIM世界耐久選手権(EWC)最終戦となる第89回ボルドール24時間耐久ロードレースは、9月17日から20日にかけて、フランスのポールリカールサーキットで開催されます。

加藤陽平 チームディレクター


本日の結果については、率直に言って悔しい気持ちです。事前テストで非常に良いペースを見せることができていたため、表彰台、そして優勝争いも十分にできると信じていました。しかし残念ながら、この1週間を通してすべてが思い描いていたようには進みませんでした。
SUZUKI 新型GSX-R1000Rの高いパフォーマンス、ライダーたちの力強い走り、そしてチーム全員の素晴らしい仕事にもかかわらず、さまざまなアクシデントや難しいコンディションが重なり、目標としていた結果には届きませんでした。
今回の週末で得られたすべての経験をしっかりと分析し、その学びを糧に、最終戦ボルドールではさらに強くなって戻ってきたいと思います。
最後に、チームメンバー全員、そして変わらぬご支援と温かい声援を送ってくださったファンの皆さまに心より感謝申し上げます。

ダミアン・ソルニエ チームマネージャー

厳しい1週間だっただけに、今回の結果には当然悔しさがあります。練習走行では複数回の転倒があり、決勝では天候の変化に加え、ストップ&ゴーペナルティ、そして何よりもセーフティカーの介入によって、さらに難しいレースとなりました。
特に2度にわたり、私たちとトップ集団の間にセーフティカーが入ってしまい、そのたびに約半周の差がついてしまいました。その影響で追い上げのチャンスは大きく失われました。優勝は難しかったかもしれませんが、表彰台獲得は十分に狙える位置にいたと本気で思っています。
それでも、選手権争いにおいて貴重なポイントを持ち帰ることができましたし、タイトル争いはまだ終わっていません。このレースで得たすべてを分析し、最終戦ボルドールに向けて万全の準備を進め、再びチャンピオン獲得を目指して戦います。
また、この場を借りてチーム全員の素晴らしい仕事に感謝したいと思います。メカニックたちは転倒したマシンを何度も修復し、1週間を通して本当に素晴らしい仕事をしてくれました。ライダーたちも最後まで決して諦めることなく走り続け、全員が持てる力を出し切ってくれました。
このような週末を経験すると、改めてこのチームの強さを実感します。私たちは皆、ヨシムラファミリーにとって特別な意味を持つ鈴鹿で結果を残したいという強い思いを持っていました。今回は運が味方してくれませんでしたが、次はさらに強くなって戻ってきます。

グレッグ・ブラック 選手 [ライダーブルー]


6位という結果は、もちろん悔しいです。8番グリッドからでも十分に追い上げられるだけのペースがあると確信していました。
スタートはとても良く決まり、路面が湿っているうえにオイルによる中断や天候の変化が続く非常に難しいコンディションの中でも、僕たちのレースペースには十分な競争力があることをすぐに証明できました。
チームはレースを素晴らしくマネジメントしてくれましたし、僕たちは常にトップクラスのペースで周回を重ねていました。しかし、ストップ&ゴーペナルティやピットで数秒を失ったこと、そしてタイミングの悪いセーフティカーの介入が何度も重なったことで、表彰台争いに加わるチャンスを逃してしまいました。正直なところ、チェッカーまでにはあと1~2ポジションは上げられるだけのペースがあったと思っています。
悔しさはありますが、選手権に向けて重要なポイントを獲得できたことは大きな収穫です。1週間を通して素晴らしい仕事をしてくれたチーム全員、そして最後まで全力を尽くしてくれたチームメイトに感謝したいです。
SUZUKI 新型GSX-R1000Rは大きなポテンシャルを示してくれましたし、シーズン後半に向けて非常に心強い土台が築けたと感じています。今回は運が味方してくれませんでしたが、ボルドールでは必ず僕たちのチャンスが来ると信じています。

ダン・リンフット 選手 [ライダーイエロー]


今日のレースは、スタート直後から非常に厳しいウエットコンディションとなり、とても難しいレースでした。それでもペースは悪くなく、場面によっては十分な競争力を発揮できていたと思います。
路面が乾き始めたときはマシンのフィーリングも非常に良く、自信を持って走ることができました。一方で、雨脚が強まると少し苦戦する場面もありました。
6位という結果は、もちろん目指していたものではありません。これまで鈴鹿では表彰台を獲得してきたこともあり、自分たちの期待はもっと高いところにありました。
個人的には、ダブルスティントを何度も担当し、レースを通して安定したペースを維持しながら、自分にできるすべてを出し切ったつもりです。
今回のレースを振り返り、ウエットコンディションで不足していた部分をしっかり分析するとともに、この週末で得られたポジティブな要素を糧に、気持ちをボルドールへ切り替えていきます。
選手権争いはまだ終わっていません。シーズンを最高の形で締めくくれるよう、チーム一丸となって全力を尽くします。

渥美 心 選手 [ライダーレッド]

今日のレースは、8時間を通してウエットコンディションが続く非常に難しいレースとなりました。さらに、ストップ&ゴーペナルティを受けたことで、戦いはより厳しいものになりました。
それでもライダー全員が大きなミスをすることなく、最後まで全力で走り切ることができました。
私自身は、ウエットコンディションでのライディングを向上させることを意識して走りました。周回を重ねるごとに自信を深め、ペースも徐々に向上し、最終的には2分18秒台で安定して周回することができました。この経験は、今後ウエットコンディションで戦ううえで大きな自信につながると思います。
6位という結果は、もちろん私たちが期待していたものではありません。しかし、それもレースです。
今回の週末で得た経験をしっかりと糧にし、前向きな気持ちを持って、次戦ではさらに良い結果を目指して全力で挑みます。

予選

順位 チーム マシン タイム
1 Honda HRC Honda CBR1000RR-R SP 02:04.738
2 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM BMW M1000RR 02:04.813
3 Elf Marc VDS Racing Team/KM99 Yamaha YZF-R1 02:04.960
4 YART YAMAHA OFFICIAL EWC TEAM Yamaha YZF-R1 02:05.169
5 YAMAHA FACTORY RACING TEAM Yamaha YZF-R1 02:05.196
6 F.C.C. TSR Honda France Honda CBR1000RR-R SP 02:05.321
7 Astemo Pro Honda SI Racing Honda CBR1000RR-R 02:05.323
8 YOSHIMURA SERT MOTUL SUZUKI GSX-R1000R 02:05.359
9 AutoRace Ube Racing Team BMW M1000RR 02:05.461
10 SDG Team HARC-PRO. Honda Honda CBR1000RR-R 02:05.851

決勝

順位 チーム マシン ラップ ポイント
1 Honda HRC Honda CBR1000RR-R SP 188 35
2 YAMAHA FACTORY RACING TEAM Yamaha YZF-R1 188 29
3 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM BMW M1000RR 188 25
4 YART YAMAHA OFFICIAL EWC TEAM Honda CBR1000RR-R 188 21
5 AutoRace Ube Racing Team BMW M1000RR 188 17
6 YOSHIMURA SERT MOTUL Suzuki GSX-R1000R 186 16
7 Team SUZUKI CN CHALLENGE Suzuki GSX-R1000R 186
8 SDG Team HARC-PRO. Honda Honda CBR1000RR-R 185 15
9 Honda Asia-Dream Racing with Astemo Honda CBR1000RR-R 185 14
10 Team ATJ with NTT docomo Business Honda CBR1000RR-R SP 184 13

ポイントランキング

順位 チーム マシン ポイント
1 YART YAMAHA OFFICIAL EWC TEAM Yamaha YZF-R1 112
2 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM BMW M1000RR 93
3 YOSHIMURA SERT MOTUL Suzuki GSX-R1000R 84
4 Kawasaki Webike Trickstar Kawasaki ZX-10R 73
5 AutoRace Ube Racing Team BMW M1000RR 60
6 ERC Endurance #6 BMW M1000RR 53
7 Team Bolliger Switzerland #8 Kawasaki ZX-10R 39
8 Motobox Kremer Racing by 321 Yamaha YZF-R1 36
9 Honda HRC Honda CBR1000RR-R SP 35
10 MAXXESS BY BMRT 3D Kawasaki ZX-10R 33
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