全4回でお届けしている、初心者のための「失敗しないホイールの選び方」。
毎回、TGR TEAM WedsSport BANDOH 坂東正敬 監督とレースアナウンサー勝又智也 氏、そしてときには“天の声”ことwedsの商品本部・中村氏が、難解な内容も分かりやすく+楽しく+おかしく解説している。
 
第1回の「座学編」、第2回の「規格・保証編」、第3回の「ホイール選び実践編」と、これまで3回にわたって、ホイールのサイズ選びから基本構造、規格と保証、規格の確認ポイントまでを取り上げてきた。
シリーズ最終回となる今回のテーマは、実車のヴェルファイア(30系)を題材にした「ホイールの装着について」。
ホイールの専門家であるスペシャルゲスト・LEXONの高砂氏も登場し、実車への純正サイズとインチアップホイールの装着を順に試しながら、その見た目や乗り心地の変化を検証していく。
 
拍手で迎えると……高砂氏は現場入りから撮影開始まで、3時間待ちだったとか!
 
目次
まずは純正18インチから20インチへ
「今回はスペシャルゲストを紹介します。LEXONの高砂さんです。よろしくお願いします」と、レースアナウンサー勝又智也 氏。
第2回の最後にスペシャルゲストの存在を宣言してから、最終回でようやく登場!
高砂氏は長年、ドレスアップやホイールに携わってきた専門家である。実際に数多くのカスタムを手掛けてきた経験から、今回も具体的かつ実践的な知識を交えて説明してくれることになった。
現状、こちらのヴェルファイアは純正18インチを履いている。ファミリーカーらしく、快適性や乗り心地を重視した設定である。ただし見た目の迫力はというと、やや控えめ。
 
そこで「まずは、純正から2インチアップのweds「LEONIS IT」に変えて20インチにしました! どうですか?」と、勝又氏。
「おお、全然違いますね。大きくなった分、足元が引き締まって見えます」(高砂氏)
 
 
装着したホイールは、20インチ8.5J+35。ノーマル車高でもそのまま収まるのが魅力だ。
 
「このホイールの色は、黒いボディにも、どんな色にも似合いそうですね」と、坂東監督も絶賛。
「そうですね、黒いボディに黒いホイール、相性抜群ですよね。それとこれは今、シルバーのナットがついていますが、ナットの色もこだわってほしいところです」(勝又氏)
 
「デザインやカラーで個性を出せるのも面白いところです」(高砂氏)
さらに「シルバーを組み合わせてもまた違った雰囲気になる」と、盛り上がる3人。
20インチにしてもタイヤの外径はほぼ変わらないため、乗り心地への影響は限定的なのだとか。
見た目の迫力と実用性を両立するバランスのよい選択であり、初心者にとっても失敗しにくいサイズといえるだろう。
さらにインチアップ!その影響は?
インチアップすると、タイヤの扁平率が下がるため乗り心地は変化する。
18から20への変更では極端に悪化することはまずないものの、「段差での硬さは増す傾向にあります。20インチはちょうどカッコよくて乗り心地も悪くないところですね」と、高砂氏。
 
「なるほど。快適性を取るか、かっこよさを取るか。どちらを選ぶかですね」(坂東監督)
また、ホイールサイズはデザインごとにバリエーションが限られていることも多い。特に20インチは“ワンサイズ勝負”になる場合もあり、オフセットやリム幅の選び方が重要になる。
続いて、さらに迫力がアップする22インチを装着してみることに。
「続いては21インチです」(勝又氏)
「……21インチ?」と、不思議顔の高砂氏。変えてみると、やっぱり22インチだった(笑)
 
 
実際に履かせてみると、その迫力は段違い。こちらのホイールはwedsの「kranze Vierharm」。
22×9.5J/インセット29。3ピースの高級モデルである。メッキパーツとの相性も良く、存在感は抜群。
「すごい!インパクトが違いますね」と、興奮気味の坂東監督。
 
車高とセッティングの奥深さ
インチアップは見た目のかっこよさを引き上げてくれるが、その分セッティングはシビアになる。
「ストライクゾーンみたいなものがあるんですよ。フェンダーの中心から30度、50度っていう範囲があって、そこから出ちゃうとアウト」(勝又氏)
「なるほど。野球のストライクゾーンみたいですね」(坂東監督)
 
フロントはキャンバーをつければ収まりやすい一方、リアは逆に出やすいなど、車両ごとに特徴がある。さらに、最低地上高が不足すれば即アウトである。
「下げればいいって簡単に思いがちですけど、実際はそんな単純じゃないですね」と、まだ諦められない様子の坂東監督。
と思いきや、「昔のレースクイーンなんて、15度とか……」とハイレグの角度をなぞるようなジェスチャー(笑)。
すかさず「やめなさい!」と突っ込む勝又氏と、2人を笑いながら遠巻きで眺める高砂氏。
 
「今はレースクイーンも規定があって、(15度は)だめなんです!」(坂東監督)
「え、車検みたいな規定があるんですね」(勝又氏)
「そう、スーパーGTから」(坂東監督)
そんなやりとりで爆笑する高砂氏。
 
しかしここから、一気に難易度が上がる。
「ノーマル車高だとどうですか?」(勝又氏)
「ギリギリNGですね、見た目は最高なんですけど。エアサスで下げられるので色々とやってみましょう。これがダウンサス」と、高砂氏がどんどん下げて……。
 
皆さんもご存じのとおり、保安基準上、タイヤ側面はフェンダーからはみ出してはいけない。
今回はというと、「微妙に入ってるようで、実は出ているんですよね」と、自称“車高短マニア”の高砂氏は非常に残念そうな表情。
「もっと下げてこれくらい、車高調にする人が一番多いです」(高砂氏)
「カッコイイ!」(勝又氏)
 
 
それを聞いた坂東監督は、「なるほど。車高を下げれば入る可能性ありますね」と食い下がる。
「最低地上高も確保しなければならないので、単純に下げればいいというものではなくて、法規制を守るための調整が欠かせません。だから専門店にいって、どうすれば収まるか相談してほしいんです」と、熱が入る高砂氏。
ただ実際には、アルファード/ヴェルファイアは構造上、車高を下げるとキャンバーがリアは寝ていくがフロントは立っていくという。
「だから元の車高のときよりも今、フロントはツラが出てきています」(高砂氏)
 
アーム類のアフターパーツを組み合わせれば解決できる場合もあるが、それも車検に対応した製品であることが条件とのこと。
「これはやっぱりプロに見てもらわないと危ないですね」(坂東監督)
「そうです。個人の判断だけで進めるのはリスクが大きいです」(高砂氏)
結局のところ、やっぱりプロショップに相談するのが一番であるという結論にたどり着いた3人であった。
そして最後に、「せっかくなので100万円のエアサスがどこまでできるか見てみましょう!」と勝又氏。
「うわ、スゴイ!」(坂東監督)
「ここまでいくとさすがに走れないので、イベントなんかで見せるときにこんな感じにするとか」(高砂氏)
 
 
「ちなみに走れないけれど、入り具合だけ見ると車検は余裕で通ります……走れないけど(2回言った!)」(高砂氏)
「通るかー(笑)」(勝又氏、坂東監督)
失敗しないホイール選びの極意
今回は、実車のヴェルファイアを題材に、18インチ→20インチ→22インチとインチアップを試してみた。
まとめると……。
18インチ(純正):実用性と快適性に優れる。
20インチ:見た目と乗り心地のバランスが良く、ドレスアップ初心者に最適。
22インチ:迫力は圧倒的。ただし保安基準や車高調整が不可欠で、プロのサポートが必須。
「まずホイールを決めてから車を合わせるのか、車高を基準としてホイールを選ぶのか。この順序をはっきりさせることが重要ですね」と、坂東監督。
インチアップは単なる見た目の変化ではなく、乗り心地、最低地上高、法規制といった複数の要素を同時に考慮する必要があることがわかった。
 
そして「初めてのホイール選び」を失敗しないためには、お店に相談して自分の理想に合ったホイールと車高を決めていくのが大事!という結論にいたった。
自分の求めるスタイルを明確にしつつ、プロショップで相談することが最も安全で確実な道ということだ。
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「初めてホイールを変えたい人」必見!
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■失敗しない ホイールの選び方
▼Vol.1[座学編]
▼Vol.2 [規格・保証編]
▼Vol.3 [ホイール選び実践編]
▼Vol.4 [ホイール装着編]